トレブルフックの防錆比較実験
実験方法
使用したフック
実験に使用したフックはがまかつSpMH、カルティバSTX-38ZN、カルティバST-46、BKKの4種類で防錆方式は表1に示す。
表1
製品 | 防錆方式 |
---|---|
がまかつSpMH#10 | 亜鉛めっき |
カルティバSTX-38ZN#8 | 亜鉛めっき |
カルティバST-46#10 | すずめっき |
BKK#10 | 亜鉛めっき |
実験方法1(すすぎなし)
各製品をそれぞれタッパーに分け3.4%の食塩水に浸け12時間後に食塩水から出し何も手を加えず12時間放置するを繰り返した。
実験方法2(すすぎあり)
各製品をそれぞれタッパーに分け3.4%の食塩水に浸け12時間後に食塩水から出しぬるま湯でよくすすぎ水分をふき取ったのち12時間空気中に置いておくを繰り返した。
実験結果
実験を終えるのに要した期間は175日で約6か月かかった。全期間を終えた視点での錆びにくさは、「すすぎあり」ではBKK、カルティバSTX-38ZN#8、カルティバST-46#10、がまかつSpMH#10の順で錆びにくかった。「すすぎなし」ではBKK、カルティバSTX-38ZN#8・がまかつSpMH#10、カルティバST-46#10の順で錆びにくかった。途中経過の時点でも順位の入れ替わりは数回あったが概ねそのようになった。
途中経過のそれぞれの状態の比較を以下に示す。
7日後
すすぎなし




すすぎあり




すすぎなしのカルティバST46のみ股のところにうっすらと赤さびが発生した。その他は変化なしであった。
25日目
すすぎなし




すすぎあり




これまでどれも予想以上に錆びにくくほとんど変化がなかったが25日目ですべての機種に変化が出始めた。特にカルティバSTX-38ZNの表面に白い肌荒れが目立つようになってきた。しかし変化はあったものの全部がまだまだきれいな状態であるといえる。
37日目
すすぎなし




すすぎあり




全体的にこれまでの変化が少しずつ進行しているが、BKKのすすぎなしだけはほぼ新品同様ですすぎありもわずかに黒ずんでいるだけであった。新しい変化はがまかつSpMHのすすぎありの表面が顕著に黒くなったこととカルティバST46のすすぎありの曲がりの部分に少し錆が発生したことだった。ここでも亜鉛めっきのどの製品もすすぎありのほうがすすぎなしよりも黒ずみの進行が速く、すずめっきであるカルティバST46はすすぎありの方が錆びの発生は遅かった。全体的には亜鉛めっきすずめっき共に27日目でも錆びの発生はわずかで、めっき技術の進歩がうかがえる。
43日目
すすぎあり


多くの評判に反し亜鉛めっきの製品で一番早く錆が出たのはがまかつSpMHのすすぎありであった。すすぎなしの方よりも先に錆が出たのも予想外であった。その他の製品は変化なしであった。
63日目
すすぎなし





すすぎあり




2か月経ったが錆が出ているのはがまかつSpMHすすぎありとカルティバST46だけであった。カルティバST46すすぎなしは針先にも錆が出てきた。全体的に表面の黒ずみや肌荒れが進んでいるが、BKKだけは少し黒ずむだけの状態を保っている。
71日目
すすぎなし





すすぎあり





がまかつSpMHすすぎありの錆がひどく、一番最初に使用不能になった。カルティバST46すすぎなしの針先が錆びがひどくなった。それ以外はいまだ錆の発生は認められなかった。BKKは相変わらずきれいな状態を保っている。
81日目
すすぎなし





すすぎあり







亜鉛めっきのものは、がまかつSpMHすすぎありの錆がさらに進行し、カルティバSTX-38ZNすすぎありも初めて錆が認められた、予想に反して亜鉛めっきのものはすすぎなしの方はいまだ錆の発生は認められ無かった。カルティバST46はすすぎありすすぎなしともに錆が進行し、特に針先の錆の進行が速かった。BKKは表面が黒ずむだけで相変わらずきれいな状態を保っていた。
89日目
すすぎなし




すすぎあり







約3か月経ったが錆が発生していないものはがまかつSpMHのすすぎなしとBKKだけになった。カルティバSTX-38ZNは錆の発生が初めて認められた。BKKは群を抜いてきれいであった。
111日目(最終日)
すすぎなし




すすぎあり






錆に強かった順はすすぎなしではBKK、がまかつSpMH、カルティバSTX-38ZN、カルティバST46であった。すすぎありではBKK、カルティバSTX-38ZN、カルティバST46、がまかつSpMHであった。なおすすぎなしのカルティバST46はカルティバSTX-38ZNよりもきれいに見えるが、カルティバST46はカルティバSTX-38ZNよりも早くから針先が錆びていたのに対しカルティバSTX-38ZNは最後まで針先が錆びていなかったので上記の順位とした。
結果
錆に対する強さ一位はBKKで他と圧倒的な差をつけた。二位はがまかつSpMHとカルティバSTX-38ZNで大差はなかった。三位はカルティバST-46で見た目はきれいだが針先が早々と錆び始め、一度錆びると進行が速かった。
BKK



がまかつSpMH



カルティバSTX-38ZN



カルティバST-46


