巨大釣りサイトの正体はIT企業である
釣りについて検索すると大体3つくらいのサイトが検索上位を独占しています。彼らは当然釣りのプロなんかではありませんし、釣り業界の人間でもありません、釣りの知識が全くゼロの可能性すらあります。ではどうやってあのような巨大な釣りサイトを作っているのでしょうか。
当然営利目的の企業が運営しているのですが、利益が発生するからくりとその弊害を解説します。皆様も気を付けてください。なお、情弱の方は救いようがありませんのでこの限りではありません。
巨大釣りサイトの正体はIT企業である
普段は気に留めていないと思いますが、皆さんが釣りについて何かを検索すると必ずと言っていいほど、検索結果の上のほうに出てくるサイトがありませんか?そしてそのサイトは巨大で、あらゆる種類の釣りを網羅して何百何千という記事があります。
よく考えたら不思議に思いませんか?一人の人間がそのような膨大な数の記事を書くのは不可能ですし、すべての釣りに詳しい人などいるわけがありません。では、だれがどのようにして何のためにこのようなサイトを運営しているのでしょうか。当然営利目的なのですが、そのおびただしい量の記事はライターを雇って書いているということです。
ライターを搾取して大量に生み出される薄っぺらい記事
あらゆるジャンルを網羅した大量の記事は釣りのライターを大量に募集して1文字0.5円~1.0円くらいという契約で記事を書かせています。この値段では正確かつ内容の濃い記事など到底書けるわけがありませんし、適当にそれらしく書いたとしても最低賃金をはるかに下回ります。
記事の内容についてですが、現在では企業側も応募する条件として釣りの経験者ということを挙げています。しかし今でも倫理観に乏しい人は、釣りをしたこともないのにインターネットで調べてそれっぽく記事をまとめて納品ということもよくあります。そのようなことが可能なのかと思われるかもしれませんが少し実力のあるライターであれば自分の知らないジャンルでもちゃちゃっと調べて書いてしまうのです。
また、釣り経験者であれば知識を生かして自分がやったこともない釣りや使ったこともないロッドやリールについての記事を書いてしまうのは簡単です。
そのようにして、薄っぺらい内容の記事や、裏も取らずに書かれた間違った記事や、使ってもしないのに書いた『おすすめの何々ロッド〇〇選』というようなインチキ記事がネット上に氾濫することになるのです。
IT技術を駆使してインターネットを牛耳る
IT企業は当然インターネットについてはプロ中のプロです。かれらの目的は有益な記事を書くことではありません、いかに検索結果の上位に記事を持ってくるかということです。その結果きわめて薄っぺらい、内容も間違いだらけの記事が大量に読まれてしまうということが起こります。
それを初心者や何も分からない子供たちが読んでいると思うと、私などは胸糞悪く腹立たしいのです。
ちなみにこれらのIT企業が駆使する技術はSEOと呼ばれるものです。もはや釣りの話ではなくなってきましたが豆知識的に書いておきます。
✔️SEOとは
SEOというのはインターネット用語でサーチエンジンオプティマイザーの略で、自分の記事をいかに検索結果の上位に表示させるかという技術です。
何かをネットで検索すると、誰しも当然1ページ目の一番上にある記事をとりあえずクリックすると思います。そして、誰の記事を検索結果の1ページ目の一番上にするかを決めているのはグーグルです。そしてそれを決める仕組みをアルゴリズムといいます。
アルゴリズムはグーグルは非公開にしています。年に数回アップデートされ年々有益な記事が検索上位に表示されるようにはなってきてはいますが、まだまだ理想とは程遠いものです。
巨大釣りサイトはこのSEOのプロ中のプロなのです。ですので、SEOを駆使した無益なサイトとグーグルとの戦いはまだまだ続くでしょう。
やつらはこうして儲けている
ライターを雇い記事を作成し、IT技術を駆使して検索上位に上げる。そこまでは分かったと思います。最終的にそれがどうやってお金になるのかというと、それはアフィリエイトという広告活動を行い利益を上げていくということになります。
つまり広告業なのです。
アフィリエイトという金を生むシステム
アフィリエイトとは成果報酬型の広告でインターネット、スマホの普及に伴い市場規模が三千億円にも達しています。しかしその性質上虚偽や誇大広告が横行しやすく、2021年には消費者庁が大規模な実態調査に乗り出すことになっています。
もう少し詳しく解説します。
ネットの記事を見ていると、商品を紹介する記事があってその下の画像をクリックするとなぜかアマゾンや楽天に飛んだといった経験はありませんか?
そしてそこから商品を買うと、紹介してくれた報酬としてアマゾンもしくは楽天からサイト運営者にチャリンとお金が入るのです。これをアマゾンアフィリエイト、楽天アフィリエイトといいます。
ちなみに現在では広告であるということをはっきりとわかるように表示しないといけなくなったので勝手にアマゾンに飛ぶということはほとんどなくなりました。
アフィリエイトには様々な案件があって、クレジットカードや英会話の教材など一つ成約すると数千円や数万円もらえるという案件もあります。
ちなみにアマゾンの場合はどうなっているかというと、手数料は数パーセントなんですが実はお客さんがその後24時間以内に何を買っても紹介したサイトの運営者にお金が入るんです。釣りと全く関係ない商品を買ってもです。ですのでアマゾンアフィリエイトは副業などでも人気があります。
アフィカスの存在
アフィカスとはネット用語で「アフィリエイト」と「カス」が混ざった言葉で、アフィリエイトでお金を稼いでいるカスどもという意味です。
この「カス」というのは文字通り人を揶揄する意味の「カス」ですが、ネットの世界では大真面目にカスという言葉が飛び交います。例えば有名な言葉に「ggrks」という言葉があってこれは読み方は「ググれカス」の略で、自分で何も考えられず自分で何も調べることもしない情報弱者などに向けて「グーグル検索して自分で調べろよやカス」という意味で使います。
おそらくあなたは私のサイトにたどり着いた時点でそんなことはないと思います。
アフィカスサイトに気をつけろ
上記のようにアフィリエイトという広告業のために薄っぺらい記事が大量に作成する人や組織をアフィカスと言いということですが、アフィカスサイトには当然以下のような弊害があります。
間違った知識が身につく
軽い話題の記事はいいのですが、基礎知識系の記事などはかなりの頻度で間違ったことが書いてあります。中には「あほか!」と言いたくなるようなことも平気で書いてあります。
個人の問題としては間違った知識が身についたところで実害はないと言えばないですが、ネット上が薄っぺらい間違った内容の記事で独占されてしまうのは由々しき問題です。
これは釣りの話に限ったことではなくあらゆるジャンルに起きている、インターネットのひとつの大きな問題であり課題でしょう、釣りというジャンルがその問題の一旦を担ってしまうのはよくないです。
ちなみ2019年にグーグルによるYMYL(ユアマネーユアライフ)に関するアップデートというものがあって、医療や金融に関するアフィリエイトサイトが軒並み一掃されて、医療や金融系で食っていた多くのアフィカスたちが廃業に追い込まれたという事件がありました。インターネット全般が改善されることをせつに願います。
ゴミのような商品を売りつけてくる
こちらは実害ありです。特に初心者向けの記事で顕著で、中には中国製の釣りセットの広告を貼り付けているサイトも見受けられます。釣りセットは一番買ってはいけないものとして初心者には真っ先に教えるべきものです。心が痛まないのでしょうか。
うん、心が痛まないのでやっているわけです。そもそもアフィカスサイトにとっての顧客とは広告の商品を売っている企業で、そのアフィカスサイトが雇っているライターにとっての顧客とはアフィカスサイトの運営会社です。そこに記事を読んでくれる人という登場人物はいないのです。ですから、そもそも心を痛める場所がないわけです。
世知辛いぜ。
アフィカスサイトの特徴
ここではアフィカスサイトの見分け方をお教えします。こういうサイトを参考にして道具を買ってはいけません。
アマゾンリンクだらけ
上の方でも説明しましたが、アマゾンリンクというのは商品画像があってクリックするとなぜかアマゾンに飛ぶというあれですね。最近は広告だということを読者がはっきりとわかるようにしなければいけませんので紛らわしい画像はなくなりましたが。
はっきりいって2個以上あるともう怪しいです。こんな構造の文章と画像が何個も出てくる釣りサイトを見たことありませんか?↓
竿の紹介文どうたらこうたら~
アマゾンの商品画像
実際に使いもしていないやつの商品紹介など見る価値もないゴミ記事です。
しかし例外もあって、「こういうロッドがないか調べたので一覧を書きました」というような記事です。こういった記事からはどことなく生身の人間の親切心のようなものが文章から漂ってくるのでアフィカスとは区別がつくはずです。
何々~選
これは本当に昔からよくある、『コンパクトロッドおすすめ20選』『持ち運び性抜群パックロッド21選』のような記事です。おすすめってお前全部使ったのかよっていう話です。もうこれは本当にうっとしいんですよ、大体道具を調べるときって実際に買った人の意見を聞きたいですよね、これらのようなゴミ記事のおかげで実際に使った人の記事が埋もれてしまうんですよ。
この「~選」系の記事は一時期一気に少なくなったんですがまた多くなった感じがします。グーグルのアルゴリズムはしょっちゅう変化するのでまた復活してきたのでしょう。グーグルさん何とかしてください。とはいうものの昔に比べたら格段に少なくなってきはしましたが。
対処方法
何度もいいますがまず商品画像はアマゾンリンクでありそこをクリックしてしまうとその後24時間以内にアマゾンで何かを買うと(釣り道具でなくても)そのアフィカスサイト運営者にチャリンとお金が入るという仕組みを理解してください。
胸糞悪いですよね?
対処法は簡単です商品画像は絶対押さずに直接アマゾンに行ってお買い物をしてください。もし間違ってクリックしてしまった場合はどこでもいいですのでよりムカつかないサイトを探してそこのアマゾンリンクをクリックしてください。するとリセットされて、とりあえずは釣りのアフィカスサイトの運営者には金が入らず最後にアマゾンリンクをクリックしたサイトの運営者にお金が入ることになりますので。
まとめ
ちゅうかメーカーのリンク貼れやカスどもがw
普通に考えて、ダイワの商品を紹介したらダイワのサイトに、シマノの商品紹介したらシマノのサイトに飛ぶリンクを貼りますよね?
なんでアマゾンのリンク貼るんじゃい!ww
結局金か?金なのか?
IT企業が釣り業界に参入し、激安の原稿料でライターを搾取し、SEOの技術を駆使して検索結果に乗り、フレンドリーな文章で使ったこともない商品を紹介して、アマゾンや楽天に飛ばし、広告料で大儲け。
結局金か?金なのか?
世知辛いぜ!
今回は以上ですありがとうございました。