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大物は警戒心が強いというのは本当か?7回も釣られたイワナの話

釣り人の発言には根拠のない思い込みやイメージからなる発言が多いのですが今回の実験結果もそのうちの一つと言えるでしょう。大物は警戒心が強いというのはよくあるイメージ先行の典型的な例ですが、ほんの少し頭をひねればそうではない可能性も頭に浮かんでくるのではないでしょうか。

イワナの実験で最高7回も釣られた個体があり、大型個体程、過去に釣られた回数が多い程釣られやすかったという結果が出ています。手っ取り早く原文が見たい方はこちらに飛んでください『河川性サケ科魚類におけるキャッチアンドリリースの資源維持効果に関する研究』要旨詳細

こういった常識をぶっ壊すという快感が釣りにはあるのです。

実験の概要

まずこれは、東京大学学位審査論文で、学位種類は博士(農学)です。リンクは上と一番下に貼りましたので見てください。

この実験の主な目的はキャッチアンドリリースの資源維持効果を正当に評価するためで、そのためにこの実験は自然環境で釣獲による実験がおこなわれました。場所は北海道です。

実験の結果最高7回もつられたやつがいた!

実験のやり方は、北海道のある川でまず電気ショッカーを用いて1才以上のイワナを415匹を捕獲し、個体識別のタグをつけリリースし、週一回合計11回釣りをするというものです。その結果1個体あたり0 – 7回、平均で2.15回釣られ、オスはメスよりも釣られた回数が有意に多かったという結果がでました。なんと最高で7回も釣られた魚がいたのです。

つまり大型個体程、何回も釣られたやつほど、釣られやすいということを意味します。

大型個体ほど、過去に釣られた回数が多いほど釣られやすかった

キャッチアンドリリースされた個体は繰り返し釣られる傾向がみられた。!

これには驚きました。いかに私が思い込みにとらわれているかが分かりました。一度でも釣られて痛い目を見た魚は学習して警戒心が強くなってなかなか釣られなくなると思ってたんですが、そうではないようです。

それについてはこの論文では「イワナでは、釣られやすさの個体差は、釣獲経験がもたらす学習の効果よりも大きく、キャッチアンドリリースされた個体は繰り返し釣られる傾向がみられた。」と述べています。

つまりこういう事です。「餌が来たぜ、ウェーイ」という持って生まれた性格の方が、釣られて痛い目を見たという学習に勝ってしまうということです。そして何回釣られて痛い目を見ても懲りずに「餌が来たぜ、ウェーイ」というふうに餌に飛びついてしまうということです。

ブラックバスにも当てはまりそうだ

私の経験上ピンスポットの釣り、例えばあの岩の陰にはいつも必ず何匹かいるというようなポイントにルアーを投げるとまず大きいやつが食ってくるということが多いのですが、皆さんも同じような経験はないですか?ほかにガシラもわりと大きいやつが先に釣れる傾向があるような気がします。

しかし大きいやつはなかなか釣れない、そもそも大きいやつは数が少ないからです。

これには納得いきます。「餌が来たぜ、ウェーイ」という大胆なブラックバスはよく餌を食べるので大きくなりやすい、しかし警戒心が弱いので大きくなる前に何らかの事故や大きな魚に食われたりして死んでしまう確率が高い、なので大きい魚はなかなかいないから釣れないけどいれば食ってくる。

学者の実験結果があるわけではないのですがそういう仕組みがありそうなことは大きくは外れてはいないような気がします。

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