遊動ガイドの作り方
私もこの方法を思いつくまでは、遊動ガイドをどうするかは悩みの種でした。
3Dプリンターも使いませんし、いらない釣竿の一部を切ってパイプを作るようなこともしません。
それから「スレッド巻きが難しそう」、「エポキシコーティング剤が謎すぎる」といった問題も解決していきます。
遊動ガイドを自作する方法
(上)まずプラパイプにごく一般的なスレッド方式でガイドをくっつける
(下)次にプラパイプを鉄工ドリルですきな穴の大きさに拡げげれば完成です
鉄工ドリルの規格は0.1ミリ刻みで揃っているので、自由な大きさのパイプ径を作れるわけです。
これで全く問題ありません、強固に止まりますしエポキシでコーティングするので実に頑丈です。
材料
Waveのプラパイプ(肉厚タイプ)
Waveというのはメーカー名です。アマゾンで300円くらいです。「肉薄」と「肉厚」がありますので、必ず肉厚を選んでください。
スレッド
ネットでロッドパーツ専門店があります。何でもいいですが、細いやつを選ぶときれいに仕上がりますのでおすすめですし、普通は細い方をつかいます。強度が必要な物には太い方を使いますが、どちらかが絶対だめというのはありません。なんでもいいです。
ただし装飾用のキラキラのやつは強度がないのでだめです。
エポキシ接着剤
いろいろありますが、超定番でいつでも手に入る「TOHO(東邦産業)」のやつでいいです。釣具屋さんに置いてる場合もあります。
道具
安い電動ドリル(高い電動ドリルでもいいです)
送料込みで3000円くらいで買えます。
チャックが1.0mm以下から使えるものを選んでください
鉄工ドリル
色々なサイズを使いますが、メーカーは合わせて下さい。
差し込み部が丸いものは、1.0ミリ~13.0ミリまで0.1刻みで揃っていますので差し込み部の丸いものにして下さい。
作り方
Waveのプラパイプ
外径 | 内径 |
---|---|
3.0 | 1.2 |
3.5 | 1.7 |
4.5 | 2.7 |
5.0 | 3.2 |
5.5 | 3.7 |
6.0 | 4.2 |
6.5 | 4.7 |
7.0 | 5.2 |
7.5 | 5.7 |
8.0 | 6.2 |
1
ブランクスの、遊動ガイドが必要な場所の径を測り、それより小さな内径のプラパイプをアマゾンで買う。
ドリルで穴を広げた時に、厚みが最低0.5ミリは残るように計算してください。
2
スレッドを巻く。
技術が許す限りできるだけガイドフットのぎりぎり近くから巻き始めて下さい。
3
コーティング
※画像をなくしてしまったので、違うガイドで説明します。
※パイプは試しにエバーグリーンというメーカーの物を使いました。
スレッドから、2ミリくらい余分にエポキシを塗って下さい。
リングの左側は図のように余分に塗って下さい。
どうせエポキシの上から切ってしまいますので、遠慮なく余分に塗って下さい。
4
カットする。
ガイドリング側は画像のように、エポキシを残してカットします。
こうしないと海水が入り込んで錆びます。
ガイドフットの端っこは、余白を1ミリ残してカットする。
目分量でいいです。
ビニールテープなどを台にして、カッターナイフでキコキコやります。
ルーターでやってもいいです。
5
角をなめらかにします
二つできました。
ガイドはLOG-8 とLOG-7です。
6
穴を拡げます。
その前に、上のやつとは別にあらかじめ作っておいたsicガイドです。
外径4.8ミリ、内径3.6ミリのパイプに3.7ミリのドリルを通します。
手袋は全面ゴム張りのものでなければやりづらいです。
ガイド | パイプ内径 |
---|---|
PKTSG-8 | 3.7㎜ |
ガイド | パイプ内径 |
---|---|
LOG-8 | 3.6㎜ |
元のプラパイプの内径も3.6とありますが、3.6ミリのドリルを通したら少し拡がりました。
ガイド | パイプ内径 |
---|---|
LOG-7 | 3.6拡げず |
ドリルを通さず、パイプそのままです。
7
ガイド | パイプ内径 |
---|---|
LOG-6 | 1.5㎜ |
LOG-5.5 | 1.4㎜ |
「Waveのプラパイプ内径1.2ミリ」に1.5と1.4のドリルを通しました。
今制作中のテレスコアジングロッドに搭載してみました。かなりいい感じです。
これで、磯竿用の小口径ガイドを無理やり使わずに済みます。しかも固定力がかなり強くガイド回転の悩みからも解放されました。
釣竿は円錐状なのにガイドはしっかり止まるの?
はい、止まります。むしろ幅があるぶんFUJIの遊動ガイドよりも強固にとまります。
スレッド巻きがどうしても難しそうという大問題
断言します。めっちゃ簡単です。1回目でいきなりできます。2回目できれいにできるようになります。
「スレッド巻き」、これは言葉がこわいだけです。わたしもやってみる前はそうでした、しかしおそれる必要はありません。
エポキシコーティング剤が謎すぎる問題
✔️何を買えばいいの?どこで売っているの?
ずばりアマゾンで1761円ぐらいで売ってます。「東邦産業 エポキシ」で検索してください。これが超定番で迷う必要はありません。
少し残念なのは、2000円以上買わないと送料無料にならないところです。少し高い気がしますが、1度買えばしこたま使えます。
✔️【余談】ウレタンはやめておけ!
少し興味を持ち始めると必ず「ウレタンもよさげじゃない?」といった迷路に迷い込みます。
結論から言ってやめたほうがいいです。気泡が入りまくり、乾燥すると肉痩せして仕上がりが悪い、など初心者は手をださないほうがいいでしょう。
じつは私は初めてガイドを巻いた時ウレタンでコーティングしたんです。上で言ったように見るも無残な結果でした。そのあとで、エポキシの作業性と仕上がりに感動したのを覚えてます。
振り出し竿の可能性が無限に広がる。
今回、遊動ガイドを自作することによって
- 好きなように配置ができる。
- sicなど、好きなガイドが使える。
- 小口径すぎる磯竿用のものを使わなくてよくなる。
- バットガイドもちゃんとしたものを使える。
- ダサくない
という事が可能になります。
他にも重要なメリットがあります、ライトな釣りならばガイド回転がほとんどないことも確認できています。
おそらくショアジギングなどのヘビーな釣りにおいてもガイド回転は激減するのではないかと思われます。結果が出しだい報告させていただきます。
振り出し竿に普通のガイドが使えるということで。テレスコロッドの改造、自作が面白いものになってきました。
お役にたてたら幸いです。ありがとうございました。