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【ポケビッツ改造2/3】延長グリップを組み立てる。パイプシートやEVAグリップを接着

今回はパイプシートとEVAのリアグリップをブランクスに接着して、延長グリップシステムを完成させます。

振り出し竿やポケビッツに限らず釣竿のグリップを改造する方法になりますので、ロッドを自作改造される方の参考になると思います。

今回は延長グリップを完成させます。

前回までで、ガイドを外す、パイプシートの分解、EVAグリップの除去、延長グリップ部の材料製作、ついでに仮組までやりました。今回はいよいよそれぞれのパーツを接着して、延長グリップ部分を完成させます。

材料

分解したポケビッツと、延長グリップ部に使う磯竿のブランクスです。分解のしかたや詳細は前回をご覧ください。


①パイプシート FUJI 「DPS-SD18」


➁ポケビッツ5510L

EVAもパイプシート取り外して、グリップのブランクのジョイント部分だけ残して切断したものです。(左の端のほうに短いパイプがはまっているのがわかりますか?それのことです)


③OGKポケット磯2-300の先から9番目と8番目のブランクス

この竿はOGKという日本のメーカーが販売していて、アマゾンで手に入りますし釣具屋さんでも取り扱っているところがあります。ですので安定して手に入れることができて、自作好きにはピッタリです。


④リアグリップ類

EVA:FUJI 「E-HGP B65-27」
グリップ土台:磯竿の竿尻を切ったやつ
ワインディングチェック(青い金属のわっか) SABAROかイシグロのオンラインショップで購入できます。


⑤アーバー

パイプシートとブランクの隙間を埋めるものです。タコ糸と瞬間接着剤を用意します。


➅クイック30

エポキシ接着剤ですホームセンターで売っています。

組み立てる

延長グリップとポケビッツのブランクスをくっつける

まずイメージが湧かないと理解しにくいと思いますので、全体像です。要するに今からここを接着する作業を行うわけです。

隙間を埋めるためにタコ糸を巻きます

赤いのがグリップセクションのブランクです。

これにポケビッツのブランクスを接着して、あとはパイプシートやEVAを取り付けていきます。

では手順です


1

ジョイント部分をしっかり端までスライドさせて、タコ糸を巻く。

巻き始めの部分は瞬間接着剤で点着けする。


2

瞬間接着剤を全体に塗る。

この際煙が出るので目に入らないように注意する。


3

延長グリップの入り口にはまるまでサンドペーパーで削る。

サンドペーパーは粗目のやつがいいです。

ジョイント部分完成です、では接着していきます。


4

クイック30を塗る

調合は雑誌の上などでできます、よく練って下さい。

下のブランクスに接着剤が着かないように、しっかりとジョイント部分を伸ばしきって、一ミリの余白を残して塗り始めます。


5

慎重にゆっくり回しながら入れていきます。

あふれた接着剤はそのつどティッシュでふき取ります。

注:一度入れると絶対に逆方向に戻してはいけません、接着剤がブランクの内側に付着すると最悪の場合釣竿を伸縮できなくなります。


グリップの延長部分が完成しました。これからそこにパイプシートやEVAをくっつけていきます。

リアグリップを組み立てる


1

延長グリップの後端に2センチの幅でタコ糸を巻きます。

スタート部分を瞬間接着剤で点着けして、終わりの部分も点着けして固定します。


2

瞬間接着剤を全体に塗ります。

完全に乾くまで待ちます。


入らないので削ります。

3

入りました。

リアグリップの土台に入るまでサンドペーパーで削ります。


4

ティップ側から土台を通してこの方向で入れていきます。

クイック30を塗り、ゆっくり回しながら入れて下さい。一度入れ始めると逆方向に戻ってはいけません、下のブランクに接着剤が付着してしまいます。

スクリューの始まりの地点まで入れます。

この部分に接着剤があふれてきますので、ふきとります。クイック30はティッシュできれいに拭き取ることができます。

リアグリップの土台完成です。下栓もちゃんと閉まります。


5

EVAグリップを装着していきます。

商品名はフジのE-HGP B65-27です。これは通販で売っています。

出口の方が少し内径が狭くなっていますので、ドリルで拡げます。


6

接着する前に仮組をしてみて、土台が長すぎた場合カットします。

逆に短すぎた場合はEVAのほうをカットします。


7

EVAを接着します。

クイック30を薄く塗り、回しながら入れていきます。あふれてくる接着剤はそのつど拭き取ります。


8

ワインディングチェックを接着します。

接着剤があふれてきてEVAについてしまうと拭き取りにくいので、適量を慎重に塗ります。

画像のリングは少し内径が大きかったので、スレッド+瞬間接着剤で隙間を埋めました。


これでリアグリップが完成しました。

パイプシートを接着する


1

パイプシートを入れてみて位置を確認してからマスキングテープを貼ります。


2

ブランクにクイック30を塗ります。

パイプシートの内径とほぼぴったりなので接着剤は薄く塗って大丈夫です。


3

ゆっくりと回しながら入れていきます。

途中で接着剤が大量にあふれてきた場合は、そのつどティッシュでふき取ります。

最後にマスキングテープの上にあふれた接着剤を軽く拭き取り、マスキングテープをはがします。


これでグリップセクションはすべて完成しました。

アーバーについて

ブランクとパイプシートなどの隙間を埋めるものをアーバーといいます。アーバーの種類は主に「テサテープ」と「タコ糸+瞬間接着剤」の2種類があります。

今回は、リアグリップの接着固定に強度が必要だったのでタコ糸にしました。

✔️テサテープ

もっとも一般的なやり方です。テープをくるくる巻いていくだけなので非常に簡単で手間がかかりません。デメリットは幅を自由に設定できない事です。ですので、一か所で止める必要があるパーツに対してはやりにくい場合があります。

✔️タコ糸+瞬間接着剤

ジギングロッドや大物竿のように特別強度が必要なものに使います。またスケルトンシートのように一か所で止めないといけない場合も、強度確保と幅を自由に設定できるという理由からタコ糸が使われる場合があります。

今回は作成したリアグリップは、4cmぐらいあるリアグリップを2cmの接着面一か所だけで固定して、しかも絶対にぐらついてはいけないという状況でしたのでタコ糸を使用しました。

使用方法もテサテープより手間がかかるとはいっても、タコ糸を巻いて瞬間接着剤を全体にしみこませるだけです。

次回はガイドを交換して、ポケビッツ改造は完結です。

ロッド

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